漫画家志望の春利は、学生時代の友人たちと1泊2日の旅に出る。しかしその最中、応募していた漫画賞の結果を知り自暴自棄になってしまう。そこへ、かつて思いを寄せていた小夜が遅れて参加してくるのだが…。 旧友との佐賀旅行が生き地獄の修羅場に変わる!?阿鼻叫喚の新感覚ロードムービー
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佐賀を舞台に、展開の見えないロードムービーを作ったのは、福岡を中心に映像制作を行っている萱野孝幸監督。近年の本映画祭では、地方在住の映画監督が多く、場所にとらわれない映画製作が進みつつあるが、萱野監督もその一人。萱野監督は、福岡県内でオールロケが行われた『カランデイバ』(18)、『電気海月のインシデント』(19)に続き、本作でも九州出身の俳優を数多く起用し、地方からの発信にこだわりを持つ。和やかな雰囲気で進む旅行の風景から、遅れてきた参加者・小夜の登場で物語は一転する。観客はその急展開に驚くと同時に、萱野の巧みな脚本に魅了されるだろう。主演の春利を務める高橋佳成は、萱野監督作品には毎回登場するほど、監督からの信頼は厚い。物語の鍵となる小夜は、映画、ドラマ、ラジオと幅広く活躍する中村祐美子が怪演している。
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